ALSの為のアイスバケツチャレンジが流行っています。
うちはアメリカ人と関わっていることが多い分、やっぱり周りでやってますが、
ナースとして違うと思う。
まず、冷たい水で病気の苦しみを体験、という意味らしいけれど、違うんじゃないですか?と思うわけです。
私だって体験していませんが、小児病棟で見てきた難病、持病の本人達の苦しみ、家族達の苦しみはそういう種類のものではなく、もっと静かでもっと一秒ごとで、もっと日常で、声にさえ出せない。
女性歌手が水を被ってキャーと言っていたけど、「違うんだよなあ」と。
一ヶ月、無菌室で過ごしてみたらキャーは出ないんだよなあ、と。
冬の夜、誰もいない病院の屋上で、一人月を見上げて「死ねたらいいのにな」と思うような心の苦しみなのです。
ひとしきり泣いてから、誰にも気づかれないように涙を拭いて、立ち上がってまた病室に何食わぬ顔でもどる様な静けさなのです。
知人の息子がFacebookで友達を指名して、その友達が「もうやった」と言ったら「もう一回やらないといけないんだよ」。
もう一人に「冷たそうじゃない」と言われ、「じゃあ1万寄付しないと。それがルールだ。」と言い放つ。
悲しい気持ちです。
それでもほんとに寄付すれば10代の彼らにとっては痛い出費だし、他人を思う良い機会かもしれないけど。
寄付金が集まるのは何より。
お金って医療には必要だから。
だから、アイスバケツなくしてリアルに3000円くらい寄付すればいいとおもう。
あの騒ぎが、患者さん達の静かな涙を馬鹿にしなければいい。
また、持論ですが 世界の人が3人を幸せにすれば世界は幸せになると聞いたことがあるので、
自分の生き方、見直していきたいものです。
今日も自分は3人を大事にしてきたか?
自分の夫に優しい言葉をかけたか?
自分の子供をぎゅっと抱きしめたか?
今日会った友人の体調を気遣ったか?
今日できることをしないで生きていても、明日は自分が死ぬかもしれないのです。
更に言うと、これから生きたい命を年間300万人も中絶させている日本人は、見直すこと沢山あるのでは?と思うのです。
私の言ってること、「小さな命を守る会」の会員なので極論でつじつま合いませんけど、正直に感じている社会への違和感です。
病気に対するお祭り騒ぎにちょっと疲れちゃっただけかもしれないけど。